TITLE
時雨
あの日 あの時 選んだ小道
もう二度と もうきっと 戻れはしないと
立ち止まる度に答えを問う
迷う心はまるでこの時雨のように
震える体 かじかむ指先
とけない気持ちを寒さのせいにして
冷たい風 吐き出す吐息
懐かしい匂いと降り出す時雨
水面に写す作り笑いも
あれから幾度と理想を
求めて作ったはずの今でさえも
悩ますだけの夢なのなら
いっそ この手で丸めて捨てしまえたなら
あの日 あの時 歩いたあの道
もう一度 もう一度振りむけるのならば…
夜空の月明かりをさえぎる
悲しむ雲 脈打つ鼓動 夜のしらべ
図らずも溢れる雫
乾いた心に染み渡り
込み上げる感情を薄めるようにただ流れ落ちてく
浅はかな過ちで 胸の奥のかさぶたを
剥がす事を繰り返し その未熟さがゆえの
立ち尽くす今 霞みゆく景色 すべてを戻らぬ時のせいにして
あの日 あの時 選んだ小道
もう二度と もう二度と 戻れはしないと
立ち止まる度に答えを問う
迷う心はまるでこの時雨のように
うつむいては目を背けたまま
ただそっとただそっと瞼閉じてた
夢描いた空 見上げられたなら
雲間から星々が美しく瞬いて
あの日 あの時 遠い記憶
もう二度ともうきっと戻れはしないと
夜空を仰げば月は笑う
晴れゆく雲 東の空 輝く朝焼け
あの日 あの時 歩いたこの道
もう二度ともうきっと悔やみはしないと
彷徨う心に答えを問う
そんな過去が 今を作る 時雨とともに